タートルネックのフィット感の「ちょうどいい」
タートルネックの季節到来です。
これほどピッタリのものに出会うのに苦労するものはありません。試着はできるかどうか店によって違うのかもしれませんが、ネット通販で買うこともある今の時代、首ってホントみんなちょっとずつ違うけど目立つ場所。そのフィット感の違いがものすごく全体の印象を左右するので買った後で「なんか変やん?」では困るのです。
タートルでの嫌な思い出
ジャケットのインなどピシッと着たいときのタートルはフィット感と言われます。
普段着のリラックスしたいときのニットはオフタートルが良いのであまり気にしなくていいのですがスマートにしたいときは気になりますよね。
首に合ってなくて一番いやなのはくるんと巻いてしまうこと。残念ながら私はユニクロさんのタートルが2回買って2回とも合いませんでした。大きく巻いてしまうので古い壺か花瓶のようになってしまうのです。曲げずに、そのまま着るスタイルなんかもありますが、一度やってみたらご年配の方に「あら、ちゃんと折れてないわよ」と直されてしまいました(笑)。モデルさんはやってるんやけどなぁ。なので他はどこも傷んでないのに使えず処分しました。せっかく色違いで楽しみたかったけど結局、20代の頃はふらっと入った店で色が気に入って買ったニットだけがジャストフィットだったので脇が破れても直しながらずいぶん長く着ました。さすがに縮みすぎで処分する時、お別れがさみしかったです。
タートルネックの検証をしてみる
ずっと気になってはいたけど調べていなかったことそれが
どこを見れば自分に合うネック部分がわかるのか です。
試着できない時もちゃんといい感じに使えるニットを購入したい。ということでこの度、自分の持っているものに加え、新たに2着リユースショップでタートルニットを購入し追加したのでこのタイミングで検証してみようと思ったわけです。リユースといえど状態の良いものを購入しますので毛玉、ひきつり、虫食いなどは全くなく「たぶん1,2度しか着てないんだろうな」というものを選んでまいりました。
OZOC ブルー (アクリル)500円 推測される定価は3900円くらい
A.P.C カーキ (ウール、シルク)1650円 推測される定価は2万円くらい
そして、手持ちの中で一番シルエットがきれいに決まるタートル
Spick&Span 濃いグリーン (ウール) を一緒に並べてみます。
首の開きと折り曲げ部分の長さ
首の付け根のところ、もしネック部分の立ち上がりがなければ開いているカーブの部分。A.P.Cだけが身頃とネック部分が別で連結している感じです。あとの二つは一気に編み上げているということでしょうか。首カーブの<開き>は濃いグリーンとカーキはほぼ同じでした。ブルーが若干広い。筒になっている立ち上がりは見ての通りOZOCが一番長くてA.P.Cが若干短め。
肩までのデザイン
OZOCだけが女性らしさを強調した肩から膨らんだ袖になっています。その分肩幅を測ると一番狭くなるデザイン。あとの二つはスタンダードな形です。A.P.Cはほぼユニセックスのようなシンプルデザイン。
糸の細さ
ほぼ同じですが、手で触ったり、畳むと薄さはSpick&Spanが一番薄く感じます。
アンサンブルでカーディガンと重なるというのも計算されているのでしょう。
実際に着てみてわかる伸縮性の違い
3着を続けて着てみてすぐになぜ今回追加の2着がまだきれいな状態でリユースに並んでいたわかった気がします。首回りに余裕がない。多分これきつかったんだろうな。
とくにA.P.Cは身頃の首がいったんクルーネックセーターとして完結している形なのにそこの伸縮が少ないので「頭すら入らないんじゃないか?」と焦るくらいでした。これは前の持ち主が何度か着てクリーニングしてる間にそうなったのかもしれないけど、袖や着丈はさほど縮んでいないのでもともとのデザインかもしれません。シルク25%は関係あるのでしょうか?
OZOCは全体がぎゅっとしっかり目が詰まった編み方でリブが太いわりに見た目ほど伸びてくれません。顔を通している間、芸人さんのストッキング芸みたいな顔になってると思います…。ですが、結局これが首のフィット感に直結することも判明しました。
以前、巻いてしまうタートルニットもリブの太さは同じくらいだったはずなのでリブの太さが同じでも伸縮性は違うということです。
そして問題のフィット感。ちなみに私はきっちり首にフィットしているのが好みですが鍵を握るのはこの首部分の伸縮性だと思います。この3着で私にとっては気持ちいいのはSpick&Spanですが3着とも首のフィット感は合格です。首が細めの私は誰かが「これきついわ」と思ったやつがちょうどなんだなと判明。つまり
首が細めの方は首部分の伸縮性があまりないもの
首が太めだと思う人は良く伸びるもの がいい。ということなんですね。
ですが、私は<平たい顔族ヒラメちゃん>で顔は小顔でも何でもないので頭を通す部分が伸びないとそれはそれで困るのでその2点を気にすればよさそうです。ゆったりとしたのが好きな方はその逆を選べばよいということになります。
そのほか着心地は?
OZOCはネックが長い分、首にがっつり2重に厚い生地がきて暖かいので室内の暖房効いたところでは暑くなりそうです。身頃部分もぎゅっと暖かいので極寒の外歩きに活躍しそう。ちょっとカフェとか入ってコートを脱いだ時に女性らしくふんわり袖が見えるのもいいですしね。アクリル系なので上手に大事に扱わないと毛玉等、どうなるか心配ですが。
A.P.Cは薄手ですしメンズライクなシルエットなので(とはいえレディースなので体にもフィットしてます)ジャケットインで活躍しそうです。首の折り返しも短いのでスマートで大人な印象。シルク混でふんわりニットというよりしっとりニット。
Spick&Spanはイタリア糸のタグが付いてるくらいなのでそれを推してるんでしょうね。肌触りが良いです。防寒には心もとないですがしなやかな印象。
総じて使いやすい3枚だと思います。
手で触れるものの試着はできない時のタートルネックは伸縮性で選んでみましょう。