「この店、また来よう。今度はあの別のメニューを食べに。」
そう思う事ありますよね?実は私の生まれ育った関西のとある街(市)においては、このなんてことない望みがなかなか叶わないことが多々ありました。続けて数回は再来店できるんですが3年越すと閉店する店の多い事…理由はシンプルに
経営が続かない です。
自称グルメさんの知人のおじさんが「知ってるか?<○○(市町名)の3年>って言われるねん。それほどこの街で長くやっていくのは大変やねん」と力説しておりまして、そんな言い回しが本当にあるのかは知らないのですが、体感は本当にそうでした。お蕎麦屋さん、サンドイッチカフェ、おしゃれなランチとパンケーキの店などなど「あれ、ここなくなった⁈」「お店、いつの間に変わってない?」と何度がっかりしたことでしょう。おいしくなくってつぶれちゃうなら仕方ないんだけど結構気に入ってる友人が周りにいたとしても5,6年頑張れたらいい方かな?チェーン店ですらも容赦ない。もちろんちゃんと残っているお店もあるので閉店したお店は何かが”フィット”してなかったんでしょうね。家賃も高かったんだろうな。
考えてみるとちょっと若者向けのお店がダメだったような気がします。結構な人口がいる市なんですが圧倒的に年配の方の割合が大きいのと、これは推測ですが電車や車でもっと都会(大阪のナンバやウメダ)に20分~40分そこらで行けてしまえるので本当に流行のお店に行きたい若者は仕事や学校帰りやお休みの日に”都会”で楽しんでいるんだと思います。あとは単純にお店が多すぎた。今はその街に比べるとずいぶん田舎に住んでいる私たち。もう8年になりますがお気に入りのお店に何度も食事に行けて些細なことなんですか幸せです。「前来た時は~だったね。」って言えますから。
先日、知り合いのご夫婦の奥様が亡くなられて夫婦でお世話になった方なのでお家に伺った帰り、旦那さんと私が二人とも「あそこに寄ってランチ食べよう!」と意見が合ったので入り江にたたずむ海辺のカフェに再来訪してきました。
和歌山県日高郡由良町衣奈の<BOATCAFE 衣奈マリーナ>さん。
「ここに住みたい!」って思えるくらいコンテナハウスの中が”いい感じにおしゃれ”で”いい具合に肩の力が抜けた”インテリアで自分の部屋でリラックスしてランチを食べてる気分になります。以前はパンデミックが少しまだ気になる頃にオープンエアで食事できるので利用したからその時はお店で食べる人も使い捨ての容器だったな~。ワンプレートのランチはどれ頼んでもちょうどいい量とお味でおうちでも真似したらおしゃれだろうなって感じです。でもこの海を見ながらのシチュエーションはここじゃないとだめなんですよね。
この日は外でもギリ食べれそうな気温で、一組の若い男の子たちがテラスにいましたが私たちは今回は室内のソファで頂きました。冬にしては青空の広がったいい天気で良かったです。そういえば前回は夏でした。
今回は冬の海だったのでも寒そうな景色でしたが、おかげで人が少なく落ち着いてゆったり食事ができました。
お店がかっこいいホームページを作っておられるので一番いい写真はそちらで見てくださいね(笑)。この日は土曜日でオーナーの娘さんかな?小学3,4年生くらいの女の子がお手伝いしていて大人顔負けの接客でお給仕してくれました。かわいかった~。思わず「いいなぁ、あのくらいの頃ってお店のお手伝いがしたい年頃やけどそれがこんなおしゃれなお店なんて最高やん。海見ながらママとカフェのお手伝いなんてうらやまし~。」って旦那さんと話してました。私も実家は商店だったんですけどね。小さな町の工場相手の工具屋さんだったので何もかわいいものは売ってなかったんです。それでもお留守番中に1個でも物が売れた時は嬉しかったですけど。
帰り際、冬ならではのおまけで出入り口に箱を置いてサイズが小さくて見た目がいまいちなミカンを”ご自由にどうぞ”と書いてくださってたのでパクッとほうばりながら車に乗りました。これがまたとても甘くておいしいミカンで最高のデザートになりましたよ。ここまで行き帰りの道路はちょうどミカンのシーズンで夏に来た時には見れなかったかわいいミカンのオレンジが水玉のように山の肌に広がっていていつ来ても素敵な場所なのねと思ったのでした。
「あそこいこう!」って思ったときにちゃんとそこにいてくれるお店。
ずっと頑張っててね!